2013年11月21日

中欧5カ国旅行/ドレスデン

今日は、ドイツのドレスデンの記事です

IMG_4219ドレスデンは、すぐ側を流れるエルベ川河畔とともに以前(2004年〜2009年)は世界遺産だったのですが、エルベ川に近代的な橋(ヴァルトシュロッセン橋)をかけることで、世界遺産を解消されてしまった街です。

橋をかける前に、「橋をかけるなら世界遺産からはずしますよ」と事前にユネスコから言われていたため、市民投票をしたのですが、ちょっとの差で橋をかけることに決まったそうです。

橋をかけるのは、もちろん生活の便利さのため。
住んでいる方にとっては、日常生活の利便性は大事。
世界遺産登録をとるか、生活の利便性をとるか、なかなか悩ましいところですね

ちなみに新しい橋は、ドレスデンの歴史地区から約2kmくらい離れた場所。
感覚からすると、このくらい離れているなら特に景観に問題ないのではという感じなのですが、エルベ川の景観とセットで世界遺産に登録されていたため、ドレスデンも一緒にはずされてしまいました。

とはいえ、世界遺産に登録されたほどのドレスデン旧市街の建築物は見事です

ただし、ここからが問題。
というのは、現地についてから、ドレスデンに在住しているという日本人ガイドさんの解説に切り替わったのですが、この人がとても早口で、かつイントネーションにクセがあって、何をしゃべっているのか全然聞き取れない
自分が今何を見ているのか、どこを歩いているのか全然分からないのです。とほほ
というわけで、ここから先は、日本に帰ってから全部ネットで調べたなおしたものです

新市街と旧市街を結ぶアウグストゥス橋を渡ってすぐのところにちょっとした広場があり、そこから階段を上ります。
そうするとエルベ川に沿って広い遊歩道が出現
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これが、ゲーテが「ヨーロッパ随一のバルコニー」と賞賛した「ブリュールのテラス」と呼ばれているところです。
対岸を見ると、アウグストゥス橋や新市街が一望
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上った階段を振り返ると、旧市街の重みのある建物も
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右写真、左側の赤い屋根の建物は「レジデンツ城」です。(右側の建物は調べても分かりませんでした・・)

ブリュールのテラスをつらつらと歩いた後、川沿いを離れてまた内陸のほうへ。
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カフェが連なる細い道がとてもいい感じ。
私は重厚な建物より、こんなカフェの風景のほうが実は好きです

IMG_4250カフェを抜けると見えたのが「聖母教会(フラウエン教会)」
1700年代に建築された教会ですが、第二次世界大戦(1945年)で爆撃を受け崩壊。
でも、ドレスデンの住民たちが将来の修復に希望を持って、破片となった石を回収して保存します。
東ドイツ政権下で再建は思うように進まなかったのですが、東西統一後、復旧にはずみがついて、2005年やっと再建が完了したという教会です。
破片となった石を元の位置に戻す作業は、バラバラになった巨大なジクソーバズルを戻すような作業でとても大変だったようです
2005年ということは8年前。(世界遺産にはこの完成と前後して登録されたのですね)
復旧までの60年を考えると、つい最近の完成だったのですね。(現地ではさっぱり気づいてなかった
完成した教会を見られたのは幸せなことです

教会の前には、ドイツ人神学者マルティン・ルターの銅像が立ってました。

IMG_4242そうそう、ここでは観光用と思われる馬車がたくさんいました。
日本でいうと、京都や浅草に人力車があるような感じでしょうか。
なんかタイムスリップした気分を感じられていいですね


先にちょっと説明した赤い屋根のレジデンツ城ですが、中庭に欧州最古の武芸競技場だった「シュタールホール」があります。
このシュタールホールの外壁に描かれているのが「フェルステンツーク(君主の行列)」と呼ばれる、約102mにおよぶ壁画

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なんと、マイセン陶器25,000枚に描かれています。
先日紹介したばかりのマイセンですね。
実はドレスデンとマイセンは、その距離約25Kmと近いんです。
描かれているのは、ザクセンの君主や騎馬像、芸術家達

IMG_4260←これは、驚異的な怪力の持ち主で有名だったポーランドのアウグスト2世(ザクセン選帝侯としてはフリードリヒ・アウグスト1世)。
「強健王(Mocny)」とか「ザクセンのヘラクレス」とか「鉄腕王」などと呼ばれていたそうです。
(彼のすぐ右後ろに描かれているのは、アウグスト3世です。)

写真が小さくて分かりづらいかもしれませんが(クリックすると拡大します)、アウグスト2世が乗っている馬の後ろ足が、バラを踏んづけています。

これは、彼はもともとザクセン選帝侯としてプロテスタントを信仰していたのですが、ポーランドで国王になる際に、条件としてカトリックに改宗することが求められ、嫌だったのだけれど権力を優先してポーランド王になったのですね。(ドレスデンは、ザクセン選帝国の首都でプロテスタントの国です。)

バラはカトリックの象徴と言われていて、本当は改宗なんて嫌だったんだよーという影の気持ちを表しているんだそうです。

このアウグストさんは、次に紹介するツヴィンガー宮殿を作らせた人でもあります。

ツヴィンガー宮殿とその庭園は、壁画から徒歩5分くらい。
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IMG_4284こちらは、15世紀頃に庭園が先に出き、宮殿ができたのは18世紀に入ってから。
ドイツバロック建築の傑作と言われる、多数の彫刻で飾られた宮殿です

今、宮殿の中は、アルテマイスター絵画館になっています。
写真はないのですが、いろいろな絵を見てきました(リンク先に絵があります)
ラファエロの「システィーナの聖母」、フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」、ジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」、etc。


ツヴィンガー宮殿のすぐ側には、「ゼンパー・オーパー」という州立歌劇場も。
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東ドイツ時代は、ドレスデン国立歌劇場と呼ばれていた劇場です。


その後、エルベ川に沿って20分ほどさかのぼると3つのお城が。(川は城の向こう側です)
アルブレヒトベルク城、リンクナー城、エケベルク城です。
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IMG_4287アルブレヒトベルク城は、アルプレヒト皇太子夫婦のために1854年に建てられたもの。
今は、芸術学校、ホテル・レストラン学校になっているほか、コンサート、舞踏会など各種催しものに使われているみたいです。

リンクナー城は、アルプレヒト皇太子の侍従シュトックハウゼン男爵の住居として建てられたもの。
その後、アウグスト・リンクナーの所有となったため、リンクナー城と呼ばれるように。
今は、ドレスデン市の所有となっているそうです。

エケベルク城は、大富豪で芸術の奨励者として知られるヨハン・スーシャイという方が建てたもの。
今は、高級ホテル・レストランとなっているようです。(泊まってみたい・・


ちなみに世界遺産登録抹消となった問題の橋は、ドレスデン旧市街とこの3つのお城の間にあります。
エルベ河畔のこの城も含めて世界遺産に登録されていたはずなので、その間に近代的な橋を作るなら解消だ、ということになったのでしょうね。

今日も、長い長い記事になりました(へろへろ)
(そして、いつもより解説っぽくなってしまった・・・)

次は、プラハの予定です

中欧5カ国旅行の記事一覧
その1 ドイツ/ベルリン
その2 ドイツ/ポツダム
その3 ドイツ/マイセン
その4 ドイツ/ドレスデン
その5 チェコ/プラハ
その6 チェコ/チェスケ・ブディヨヴィッツェ
その7 チェコ/チェスキー・クルムロフ
その8 オーストリア/ザルツブルグ
その9 オーストリア/ハルシュタット
その10 オーストリア/ウィーン
その11 スロバキア/ブラチスラバ
その12 ハンガリー/ドナウベント
その13 ハンガリー/ブタペスト
その14 お食事編/ブレックファースト
その15 お食事編/ランチ&ディナー
その16 ホテル編


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yumi




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